間質性肺炎の横断面イラストで蜂巣肺をどう描くか

1.間質性肺炎で肺に生じる変化

間質性肺炎では、肺の間質を中心に炎症や線維化が生じ、肺の構造が徐々に変化します。

進行例では、CT画像で網状影や牽引性気管支拡張、蜂巣肺などが認められることがあります。

蜂巣肺は、線維化が進んだ肺にみられる嚢胞状構造の集簇であり、肺実質の構造が大きく変化していることを示す所見の一つです。

今回描いたのは、間質性肺炎における肺の変化を示した横断面イラストです。

左には比較的正常に近い肺を、右には病変が進行した肺を描き、両者を比較できるようにしました。

2.横断面イラストで蜂巣肺をどう表現したか

今回の描写で特に意識したのは、蜂巣肺の表現です。

蜂巣肺は、単に肺の中へ丸い空間を多数描けば表現できるものではありません。

胸膜下を中心として嚢胞状構造が隣接してみられ、その周囲には線維化に伴う肺実質の変化も生じています。

そのため右側のイラストでは、嚢胞状構造だけを強調するのではなく、周囲の網状の変化や肺実質の粗造な印象も含めて描きました。

CT画像でみられる特徴を参考にしながら、嚢胞状構造が集簇する蜂巣肺を、横断面の中で違和感なく見えるように表現することを意識しています。

3.医用画像をイラストとして描く意味

医療現場では、CTなどの医用画像から病態を理解する機会があります。

しかし、誰もが同じように医用画像を閲覧できる環境にいるわけではありません。

また、画像に慣れていない人にとっては、実際のCT画像だけでは病態の特徴を捉えにくい場合もあります。

そこで、医用画像から病態を理解するために必要な特徴を整理し、イラストとして視覚化することには意味があると考えています。

今回のイラストでも、単にCT画像を再現するのではなく、左の比較的正常に近い状態と右の進行した状態を並べることで、間質性肺炎によって肺の構造がどのように変化するのかを比較して観察できるイラスト素材を目指しました。

医療イラストだからこそ、実際の画像所見を大切にしながら、病態の特徴が伝わる形へ整理して描くことを大切にしています。

投稿者
福山真樹

メディカルアナトミーイラストレーター
理学療法士
イラストスタジオ福之画代表
鳥取県理学療法士会 イラスト担当
日本理学療法士会 推薦 公式イラスト担当
京都芸術大学通信教育部イラストレーションコース非常勤講師(美術解剖学・添削採点担当)

解剖学的構造と運動学的関係性を踏まえた図解、疾患理解を助ける病態イラスト、教育・出版向けの専門的な人体イラスト制作を行っています。
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