姿勢観察はどこから見る?頭部から骨盤・重心位置を推測する方法

姿勢観察をするとき、「どこから見ればよいのか分からない」と悩むことがありませんか?
姿勢を見るうえで大切なのは、身体の一部分だけを見るのではなく、頭部・胸郭・骨盤・下肢がどのような位置関係にあるのかを把握することです。
今回は、実際の姿勢写真に身体各部の位置や重心を書き込んでいく様子を動画にしました。
1.姿勢観察では身体各部の位置関係を見る
姿勢観察では、骨盤の傾きや頭部の位置など、一つひとつの所見を確認するだけでなく、それぞれの位置関係を見ることが重要です。
そして、重心位置を捉えることで、身体各部がなぜそのような位置関係になっているのかを考察しやすくなります。
身体重心は、一般的な立位姿勢では骨盤内の仙骨前方付近に位置すると説明されます。しかし、これは一定の場所に存在するものではありません。頭部や体幹、上下肢など各体節の位置が変われば、身体全体の重心位置も変化します。
そのため、姿勢を観察するときには「重心はここにある」と最初から決めるのではなく、身体各部がどこにあるのかを確認しながら、重心位置を推測していきます。
2.頭部から胸郭・骨盤の位置を推測する
骨盤は姿勢を考えるうえで重要な部位ですが、臨床では衣服などによって骨盤の輪郭が分かりにくいことがあります。
そこで私は、外観から確認しやすい頭部を一つの基準として見ています。
頭部の大きさを基準に身体の比率を見ることで、胸郭のおおよその大きさと位置を捉えます。さらに、胸郭との位置関係から骨盤の大きさや位置を推測します。
つまり、見えにくい骨盤をいきなり探すのではなく、頭部から胸郭、胸郭から骨盤へと身体の位置関係を順番に考えていく方法です。
骨盤の位置が推測できると、膝との位置関係から大腿の長さや向きも捉えやすくなり、下半身をどのように支持しているのかも考えやすくなります。
3.重心位置までつなげて姿勢を見る
身体各部の位置関係が見えてくると、次に上半身と下半身それぞれの重心位置を考えます。
上半身重心は、第7胸椎~第9胸椎の高さに位置します。
下半身重心は、大腿の近位3分の2の高さを目安とし、左右を結んだ線の中央付近に位置します。
体型などによってそれぞれの重心位置は変化しますが、姿勢観察で重心を捉えるための基本的な指標になります。
上半身重心と下半身重心を結んだ線の中央付近から、身体全体の重心位置(身体総合重心)を推測します。さらに重心線を足元まで延ばすことで、支持基底面に対して重心がどこに位置しているのかを確認できます。
左右の足との位置関係を見ることで、どちらの下肢で身体をより支持しているのかを考える材料にもなります。
今回の動画では、写真の上に直接線を描きながら、どこを見て、そこから何を推測し、次にどこを見るのかを順番に示しています。
完成した図だけを見るよりも、描かれていく過程を見ることで、姿勢観察の思考の流れも分かりやすくなると思います。
姿勢観察でどこから見ればよいか迷うときに、写真を使って行う練習方法の一つとして参考にしてみてください。
投稿者
福山真樹

メディカルアナトミーイラストレーター
理学療法士
イラストスタジオ福之画代表
鳥取県理学療法士会 イラスト担当
日本理学療法士会 推薦 公式イラスト担当
京都芸術大学通信教育部イラストレーションコース非常勤講師(美術解剖学・添削採点担当)
解剖学的構造と運動学的関係性を踏まえた図解、疾患理解を助ける病態イラスト、教育・出版向けの専門的な人体イラスト制作を行っています。
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